バイアグラを飲んでみた人の日記です


by yy004

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長らく放送技術の実験台的存在だったWEAFというラジオ局が、定期的な番組スケジュール
をまとめあげ、はじめてコマーシャルやスポンサー紹介を入れた番組をいくつか放送した。こ
れを長距離電話回線を通じてニューョーク以外の放送局にも配信すると、ただちに成功をおさ
め、他の放送局との回線も築かれた。こうして相互に配信しあうことで、地域内にとどまって
いたスポーツや政治のイベントが全国的に伝えられるようになった。
これが当初「チェーン」放送とか「ネットワーク」放送と呼ばれるようになった放送網の誕
生期である。それはまた、国民的な共通文化の始まりでもあった。一九三五年から五○年代に
かけてのラジオ黄金時代は、エドワード.R・マローやビング・クロスビーなどの国民的スタ
しかしその後、ラジオは究極の画一文化メディアであるテレビに追い抜かれた。一九五四年
には、テレビ所有総世帯の七四パーセントという驚くべき数の人々が毎週日曜夜の『アイ・ラ
ブ・ルーシー』を観ていた。


ウォータークーラー・エフエクト
テレビ黄金時代には、いわゆる井戸端会議が盛んになった。職場で共通の文化につい
てあれこれおしゃべりをするのだ。五○年代から六○年代には、職場のほぼ全員が前の晩同じ
番組を観ていたと言って差し支えないだろう。ほとんどの同僚が、ウォルター・クロンカイト
が晩のニュース原稿を読むところを観て、それから『じゃじゃ馬億万長者」や『ガンスモー
ク』や『メィベリー110番』など大人気の娯楽番組にチャンネルを替えたのである。
それからチャンネル数が増えても、テレビは八○年代から九○年代を通じてずっとアメリカ
を均一化しつづけ、それは二一世紀に入ってもなおつづいた。スーパーボウルの試合のハーフ
タイムの時間帯に、下水道使用率は決まってピークになった。電話の回線使用量の記録をいく
つも持っているのは『アメリカン・アイドル』第一シーズンの電話投票だ。毎年、企業はゴー
ルデンタイムにますます資金を投入し、テレビ広告の新記録をつくった。主流とは何かを決め
ていたのはテレビなのだから、もっともな話だ。時間はゴールデンタイムばかりではないのに
本当に注目を浴びていたのはその時間帯だ。
九○年代が終わる頃になってもまだテレビ放送網は商業的な成功に浸っていたが、その陰で
文化の足場は動きつづけていた。それがはじめて表に出てくることになるのは、若者が反抗精
神を表現する聖域、音楽である。

いまいちばんの売れ筋は何か、国中が追いかけている。文化はヒット競争の巨大スタジアム
だ。僕らはヒット商品をつくり、選び、語り、トレンドに振り回され、すっかり消耗している。
週末にはヒット映画が集客力を競い合い、木曜夜にはテレビ番組が淘汰にさらされ、翌週へ
の生き残りをかけた闘いを繰りひろげる。またラジオは数少ないヒット曲ばかり繰り返し流す。
その間もこうしたエンタテインメント産業の幹部たちは、血眼になって次のヒット作を求めつ
これがヒットの世界だ。ここ半世紀の間、大ヒット映画やゴールドディスク、二桁のテレビ
視聴率などに支えられて、巨大メディアやエンタテインメント産業はみるみる膨れあがった。
当然僕たちはヒットを通して文化を眺めるようになった。時代は人気女優や大量生産品によっ
づけている。

ロングテールの中なら何でも見つかる。旧作アルバムが昔のファンに懐かしがられたり、新
たに誰かに発掘されたり。他にもライブ、B面、リミックス、カバーバージョンなどいろいろ
だ。たくさんのジャンルの中に細かく分かれたジャンルがいくつもあって、その中にニッチ作
品が何千と眠っているのである(八○年代のヘアメタル・バンドやアンビエント・ダブだけに
タワーレコードの店全体が使われているところを想像してみてほしい)。かつて輸入盤の棚で
高い値段をつけられていて手が届かなかった外国のバンドもあるし、聞いたこともないレーベ
ルのよく知らないバンドその多くは流通力がなくてタワーレコードにたどり着けない

ロングテールー大衆市場から無数のニツチ市場へ第1章
莫大に増やすことによって、潜在していた需要が解き放たれるようなのだ。こうしたニッチ商
品への需要は、もともとあったのに隠れていたのか、それとも新たに生まれたのかはまだわか
らない。わかっているのは、手元にもっとも完全なデータがある企業Iネットフリックス、
アマゾン、ラプソディーは、店舗型小売業者が置かない商品の販売で総収入のおよそ四分の
一から二分の一近くを得ており、その数字が毎年伸びているということだ。言いかえれば、彼
らのビジネスのいちばん速い成長分野は、旧来の物理的な店舗で手に入らない商品の販売なの
に無限の商品スペースを持つこの新ビジネスは事実上、新数学の学習をしたわけだ。つまり、
とても大きな数(テールにある商品数)に小さな数(各商品が売れる数)を掛けると、やっぱ
りとても大きな数のまま。しかもその大きな数が、まだまだ大きくなる一方だ。
また、インターネットを通じた雁大なニッチ商品の販売は、コストのかからない効率的なビ
ジネスでもある。金のかかる商品棚がいらないIiTMSなどの完全にデジタル化されたサ
ービスの場合は製造コストもかからず、流通コストもほとんど不要Iので、ニッチ商品を売
って得られる利益はヒット商品と変わらない(むしろいい)。ヒットとニッチが、史上はじめ
て同じ経済的地位に立ったのだ。どちらも、需要があったときにデータベースから呼びだされ
る項目の一つにすぎず、等しく保管する価値がある。人気はもう利益の独占を意味しない
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by yy004 | 2013-10-15 08:07